リースバック解説シリーズの最終回(第3回)です。 第1回・第2回では、売却価格・家賃・住み続けられるかどうかなどの落とし穴を解説しました。 最終回では、家賃滞納・資産継承のリスク、リバースモーゲージとの違い、 契約前のチェックリストをまとめます。
落とし穴⑦|家賃を払えなくなると、賃貸契約の滞納として退去を求められる
リースバック後は、自宅であっても法律上は「賃貸住宅」であり、 住み続けるための条件は「家賃を払い続けること」になります。 持ち家だった頃は、ローンの支払いが厳しくても自宅に住み続けることはできましたが、 リースバック後に家賃の支払いが滞ると、一般の賃貸住宅と同様に、 契約解除や退去を求められるリスクがあります。 まとまった現金を手に入れた後の生活費・家賃の見通しを、契約前にしっかり立てておくことが重要です。
落とし穴⑧|自宅が「資産」として残らず、将来子や孫に引き継げなくなる
リースバックで自宅を売却すると、その不動産は所有者である買い取り会社のものになります。 そのため、将来「この家を子どもに残したい」「孫の世代まで住んでほしい」と考えている場合、 リースバックを選ぶとその希望は実現できなくなります。 受け取った現金の使い道だけでなく、自宅という資産そのものを家族に残すかどうかも、 契約前にご家族と話し合っておきたいポイントです。
リバースモーゲージとの違い
自宅を活用してお金を得る仕組みには、リースバックのほかに「リバースモーゲージ」があります。 大まかには次のような違いがあります。
- リースバック自宅を「売る」。所有権は手放すが、現金を一括で受け取り、家賃を払って住み続ける
- リバースモーゲージ自宅を「担保に借りる」。所有権は残るが、借金であり、契約者が亡くなったときなどに自宅を売って返済する
どちらも一長一短があり、家族構成や今後の住まいの希望によって向き不向きが変わります。 リバースモーゲージの注意点は、「リバースモーゲージとは?」で詳しく解説しています。また、そもそも持ち家を持ち続けること自体にどんなコストやリスクがあるのかは、「持ち家にもリスクがある?」の記事もあわせてご覧ください。
契約前に必ず確認したいチェックリスト
- 売却価格は、通常の不動産売却の相場と比べていくら安いか
- 毎月の家賃はいくらで、近隣の似た条件の物件の家賃と比べて高くないか
- 賃貸契約は「普通借家」か「定期借家」か。定期借家なら期間と再契約の条件
- 受け取る金額を、家賃で何年払うと使い切ってしまう計算になるか
- 買い戻しができる場合、その価格・期限・条件が契約書に明記されているか
- 複数の会社から見積もり(査定)を取り、条件を比較したか
まとめ|「住み続けられる安心」と「お金の損得」を切り分けて考える
- リースバックは「自宅を売って、家賃を払って住み続ける」仕組み
- 売却価格は相場より安く、家賃は割高になりやすい
- 定期借家契約だと、数年後に退去を求められる可能性がある
- 「買い戻せる」「ずっと住める」は契約書で必ず確認する
- 急いで契約せず、必ず複数社を比較し、家族にも相談する
困ったときの相談窓口
リースバックの勧誘や契約で不安を感じたら、契約前に一度立ち止まりましょう。 契約内容のトラブルは、お住まいの自治体の住宅相談窓口や、 消費生活センター(全国共通「188」)に相談できます。 売買契約書・賃貸借契約書を手元に用意して相談するとスムーズです。
この記事はシリーズ全3回の第3回です
- 第1回 仕組みと「売却価格」「家賃」の落とし穴
- 第2回 「住み続けられない」「買い戻せない」リスク
- 第3回 資産継承・家賃滞納のリスクと契約前チェックリスト(この記事)