「賃貸はずっと家賃を払い続けるだけ。家を買えば、最後はローンを払い終えて自分の資産になる」—— 持ち家には、そんな「最終的には安心」というイメージを持っている方が多いと思います。 その考え方自体は間違いではありませんが、実際には住宅ローンを完済した後も続くコストや、 賃貸では発生しない種類のリスクがあります。 全3回のシリーズで、持ち家のコストとリスクを中立的に整理します。 第1回では、ローン完済後も続く費用と、固定資産税・修繕費を見ていきます。
「ローンを払い終えたら住居費はゼロ」ではない
住宅ローンの完済は大きな節目ですが、それで住まいにかかる費用がなくなるわけではありません。 固定資産税、火災保険・地震保険の更新、外壁や屋根、給排水管といった設備の修繕費は、 ローンが終わったあとも、家に住んでいる限りずっと発生し続けます。 「ローン完済=住居費ゼロ」というイメージのまま将来の生活費を計画してしまうと、 老後の資金計画が想定より厳しくなることがあります。
リスク①|固定資産税・都市計画税は、持っている限り一生かかる
持ち家を所有していると、毎年「固定資産税」(地域によっては「都市計画税」も)が課税されます。 これは賃貸住宅には基本的にない負担で、ローンの有無にかかわらず、 その家を所有している限り毎年支払い続ける必要があります。 金額は固定資産の評価額によって変わりますが、年間で数万円〜十数万円程度になることが一般的です。 「ローンの返済額」だけで毎月の住居費を考えていると、この税負担を見落としやすくなります。
リスク②|大規模修繕や設備交換の費用は、まとめて自己負担になる
マンションの場合は毎月の修繕積立金が用意されていますが、 建物が古くなるにつれて積立金が不足し、追加で「修繕費の一括請求」を求められることもあります。 戸建ての場合はそうした積立の仕組みがなく、外壁の塗り替え、屋根の補修、 給排水管の交換といったメンテナンスを、すべて自分で計画・負担する必要があります。 これらは一度に数十万円〜百万円単位の費用になることもあり、 「急にまとまったお金が必要になる」という形で家計に影響します。
この記事はシリーズ全3回の第1回です
- 第1回 ローン完済後も続く費用と固定資産税・修繕費(この記事)
- 第2回 災害リスクと資産価値の低下
- 第3回 住み替え・空き家・相続のリスクと活用法