火災保険解説シリーズの最終回(第3回)です。 第1回では火災保険の補償範囲、第2回では賃貸・住宅ローン契約時に割高になりやすい火災保険について解説しました。 最終回では、地震保険の考え方と、火災保険を相見積もりで見直すという選択肢を見ていきます。
地震保険は火災保険とセットでしか加入できない仕組み
地震保険は、単独で契約することができず、必ず火災保険とセットで加入する仕組みになっています。 また、地震保険は民間の保険会社と国(政府)が共同で運営しており、 補償内容や保険料は法律に基づいて全国で決められているため、 どの保険会社で契約しても基本的な条件は同じです(火災保険のように会社ごとの価格差で選ぶものではありません)。 地震・噴火・津波による火災・損壊・埋没・流失などが補償の対象で、 一定の条件を満たすと「地震保険料控除」として確定申告や年末調整で所得控除を受けられる点も知っておくとよいでしょう。
「地震保険は必須ではない」という考え方もある|判断のポイント
地震保険は、住宅ローンの契約条件にはなっていないことが一般的で、 加入するかどうかは契約者が選べます。 そのため「絶対に入るべき」「入らなくてよい」と一律に言えるものではなく、 ご自身の状況に合わせて考える必要があるテーマです。 判断にあたって参考になる視点としては、次のようなものが挙げられます。
- 住んでいる地域のハザードマップ 地震・津波・土砂災害などの想定リスクを確認する
- 建物の構造・耐震性 新耐震基準への適合状況や、建物の構造によって被害想定が変わる
- ローンの残債と自己資金 万が一建物が損壊した場合、 ローンの残債を抱えながら再建できるだけの備えがあるか
- 補償額の上限 地震保険の保険金額は火災保険の30〜50%程度が上限となっており、 建物の再建費用すべてをカバーするものではない点も理解しておく
「地震保険に入っているから安心」というよりも、 地震保険でカバーできる範囲と、カバーできない部分をどう備えるかを合わせて考えることが大切です。 迷う場合は、保険の専門家やファイナンシャルプランナーに、 ご自身の状況に合わせて相談することをおすすめします。
火災保険は「相見積もり」で同条件でも保険料が下がることがある
火災保険は、補償内容や建物の条件が同じでも、保険会社によって保険料が異なることがあります。 特に、第2回で触れたような「不動産会社や銀行から案内された保険」をそのまま継続している場合、 複数の保険会社・代理店から見積もりを取り直す(相見積もり)ことで、 同程度の補償内容のまま保険料が下がる場合があります。 近年は、代理店を介さずインターネットで直接申し込めるタイプの火災保険もあり、 選択肢の一つとして比較検討してみる価値があります。 見直すタイミングとしては、契約の更新時期や、住宅ローンの完済時、引っ越しのタイミングなどが分かりやすい節目になります。
まとめ|「入りっぱなし」にせず、内容と料金を時々見直す
- 火災保険は「火災」だけでなく、風災・水災や「破損・汚損」もカバーする場合がある
- 賃貸契約・住宅ローン契約時に勧められる火災保険は、割高なことがある
- 地震保険は火災保険とセットでのみ加入でき、加入は契約者が選べる
- 地震保険が必要かどうかは、地域のリスクや建物の状況、自己資金などから判断する
- 火災保険は相見積もりによって、同条件でも保険料が下がることがある
困ったときの相談窓口
現在加入している火災保険・地震保険の内容が分からない、 見直しの相談先が分からないという場合は、 お住まいの自治体の窓口やファイナンシャルプランナーに相談できます。 保険の契約・解約をめぐって強引な勧誘を受けた場合は、 消費生活センター(局番なし「188」)に相談しましょう。
この記事はシリーズ全3回の第3回です
- 第1回 補償範囲の誤解と「破損・汚損」特約
- 第2回 賃貸・住宅ローン契約時の「割高」な火災保険
- 第3回 地震保険の考え方と火災保険の見直し(この記事)