持ち家リスク解説シリーズの最終回(第3回)です。 第1回・第2回では、ローン完済後も続く費用、災害リスク、資産価値の低下について解説しました。 最終回では、住み替え・空き家・相続のリスクと、自宅を活用する選択肢を見ていきます。
リスク⑤|ローンが残っている間は、住み替え・売却の自由度が下がる
転勤、介護、家族構成の変化などで住み替えが必要になったとき、 住宅ローンの残高が売却価格を上回っている(オーバーローン)状態だと、 売却代金だけではローンを完済できず、不足分を自己資金で用意しなければ売却できません。 賃貸であれば契約満了や解約で比較的自由に住み替えられますが、 持ち家はローンという「負債」がセットになっているため、身動きが取りづらくなる場合があります。 オーバーローンの考え方は、リースバックの落とし穴の記事でも触れています。
リスク⑥|将来「空き家」や「相続」の問題につながることがある
高齢になって一人で住み続けるのが難しくなったり、施設に入居したりすると、 持ち家が誰も住まない「空き家」になることがあります。 空き家になっても固定資産税や最低限の管理(草刈り・修繕など)は必要で、 その負担が子世代に回ってくることも少なくありません。 また、相続人が複数いる場合、家という分割しにくい資産をどう分けるかでトラブルになるケースもあります。 「この家を将来どうするか」は、購入時よりもむしろ、年齢を重ねてからの方が重要な問題になります。
持ち家を「お金」に変える選択肢もある
ここまで見てきたリスクの多くは、「持ち家という資産を、住み続けながらどう活用するか」 という問題でもあります。自宅を活用してお金を得る方法には、 自宅を担保にお金を借りるリバースモーゲージや、 自宅を売却して住み続けるリースバックといった仕組みがあります。どちらも便利に見える一方で、それぞれに特有の注意点があるため、 持ち家のリスクと合わせて理解しておくと、将来の選択肢を広げることができます。
まとめ|「買って終わり」ではなく、持ち続けるコストも含めて考える
- 固定資産税・都市計画税は、所有している限り一生かかる
- 大規模修繕や設備交換の費用は、まとめて自己負担になることがある
- 災害で建物が損壊しても、ローンの返済義務はそのまま残る
- 資産価値は年々下がり、購入額で売れるとは限らない
- ローンが残っている間は、住み替えや売却の自由度が下がる
- 将来の空き家・相続についても、早めに家族で話し合っておく
困ったときの相談窓口
住宅の維持費や将来の住み替えについて不安がある場合は、 お住まいの自治体の住宅相談窓口や、ファイナンシャルプランナーに相談できます。 訪問業者から修繕やリフォームを強引に勧められた場合は、 消費生活センター(局番なし「188」)に相談しましょう。
この記事はシリーズ全3回の第3回です
- 第1回 ローン完済後も続く費用と固定資産税・修繕費
- 第2回 災害リスクと資産価値の低下
- 第3回 住み替え・空き家・相続のリスクと活用法(この記事)